私がカナダ移住で後悔した3つのこと。カナダと日本は全く違う!

昨年の10月に当時1歳4か月の息子と二人だけで日本に一時帰国をしました。子ども連れでの初めての長距離フライト、国内線乗り換え、そこからのバスと今考えても大変でしたが、印象的だったのは日本の空港スタッフの親切さです。

「ベビーカーがご入用ですか?」、「お荷物をお持ちしましょう」、「こちらのカウンターでお伺いします」等々、何を言わなくても手を差し伸べてくれる日本のサービスの素晴らしさを心の底から実感しました。それに対してカナダの空港のサービスの素っ気なさ…。

今回は、私がカナダに移住してみて正直言って後悔をしている点をご紹介します。海外移住と言うとイメージのいいことを中心に紹介されがちですが、実際に住んでみると後悔することがあるのも現実です。日本のかゆいところに手の届くサービスもカナダには存在しません。

【医療】カナダでは産婦人科医に会うまで2か月半待ち?

医療現場

隣国アメリカとの比較でもよく取り上げられますが、カナダは基本的に医療費が無料です。実際には無料なのではなく、高い税金を納めているのが還元されているのですが、病院に行ってもお金が掛からないのは非常に助かります。

ただし、専門医に診てもらうまでの待ち時間がかなり長いです。掛かりつけ医(ファミリードクター)の制度を取っているカナダでは、体調が悪い時はまずは掛かりつけ医に予約を取って、そこで症状を説明します。そして皮膚科や外科、アレルギー科などの専門医に紹介をしてもらうという仕組みです。

この専門医に会えるまでが長いのです。2週間ほどで会えたら超ラッキー、時には1か月、2か月、3か月や半年なんてこともあります。

私が妊娠した時のことです。自宅で妊娠検査薬を使用し陽性判定が出たので掛かりつけ医に会いに行きました。そこで血液検査をし、正式に妊娠が判明したので産婦人科医に紹介をしてもらったのですが、その予約はなんと2か月後!!

途中でつわりが始まったのでお腹の子どもは育っているのだろうということは何となく分かりましたが、日本なら妊娠検査薬後にすぐ産婦人科を受診し、エコーをしてもらえるのにと不安な日々を過ごしたのを覚えています。

私の義母はカナダ人ですが「掛かりつけ医に症状を説明する時は思いっきり大げさに言うのよ!じゃないとすぐに専門医に会えないからね!」と口を酸っぱくして言ってきます。実際に専門医に会うのが遅かったので症状が取り返しのつかないところまで悪化してしまった…なんていう話も残念ながら珍しくはありません。

【カナダの気候】とにかく寒く長い冬、鬱を発症する人も

私がカナダへ行くと家族に告げた時は「そんな寒い国でやっていけるの?」と心配されたものですが、カナダと言えば極寒の国というイメージを持つ方も多いでしょう。

実際に暮らしてみると冬の長さには辟易させられます。私が住んでいるトロントでは、8月になると朝晩は少し涼しくなり、9月には秋の気配が色濃く、10月となると冬のコートを着始めます。初雪が降るのもこのころです。そこからは延々と冬、冬、冬。

トロントは雪の量はそこまで大したことはありませんが、冷え込む日には体感気温がマイナス20℃以下になることも。数週間ずっとマイナスの気温の中で生活をすることになります。

4月になってもまだ雪が降るのは珍しくありませんし、5月でも厚手のジャケットを着ることもあります。ようやく夏の気配がしてくるのが6月の終わりですが、8月には朝晩は涼しくなりますので、夏は本当に本当に短いです。

これだけ冬が長いと鬱になる人も多いです。CMH(カナダ精神衛生協会)のデータによると、カナダ人の8人に1人が生涯に一度は重い鬱病に掛かります。国を挙げて様々な防止策が講じられていますが、一般的な方法としては赤ちゃんのころからのビタミンDの摂取です。カナダ人である夫も食生活にはそこまでこだわる方ではありませんが、子どもの頃からずっとビタミンDのサプリは摂取し続けています。

ちょっとそこまで外出するにも重ね着をし、分厚いコートを着、ウインターブーツを履かなければならない冬は毎日の通勤や通学も大変です。防寒着を買うための費用もばかになりません。しかも、冬には慣れているはずのトロントの公共交通機関なのに雪が降ると遅れたり止まったりで大変です。

【距離】やはりカナダと日本は遠い!

カナダに来ることを本格的に考え始めた時には、その距離の遠さにワクワクしたものでした。地球を半周するほど遠くに行くとどれだけ違った環境が待っているんだろうと期待に胸を膨らませていたのを覚えています。

ワーキングホリデーや留学での短期滞在の場合はその距離も楽しめますが、いざ移住して生活を始めるとこの距離がかなり大きな問題になります。

トロントから東京までは直行便を利用しても13時間掛かります。私の場合は実家が関西にあるのでそこから国内線に乗り換えて…としているとほぼまる1日かかってしまいます。

私がカナダに来た頃は元気いっぱいだった両親も体に不調を訴えることが多くなりましたし、親戚の中には入院中の人もいます。本当なら年に何度も帰って、家の手伝いをしたり、小旅行に行ったりしたいとは思いますが、現実問題としては不可能です。

直接会えないならせめて電話でもしようとLINEを使って電話も試みるのですがそこで問題になってくるのは時差。サマータイム中は13時間の時差があり、特に息子が小さい今は週に1回電話するのがやっとのところです。

また、時間だけでなく日本に帰る時のチケット代金も大変です。数年前に比べると幾分安くなったものの、往復すると最低10万円は考えておく必要があります。これが夫婦で行くと20万円、子どもは1歳半からは大人料金になりますので、私達家族が次に日本に帰る時には交通費だけで30万はかかってしまいます。

日本とカナダのいいとこ取り!

5年ほど前に私の両親が初めてカナダへと来てくれました。寒い冬でしたが「外の雪を見ながら暖炉の前で飲むとコーヒーが一層美味しいね」と言っていたのをよく覚えています。医療に関しても「老後の心配が一つ減るじゃない!」と心底羨ましそうでした。

トロントに限らず外国に長く暮らすようになると初めは興奮状態だったのが落ち着き、あれもこれも日本と比べてダメだと思ってしまうのはしょうがないことでしょう。まさに「隣の芝生は青く見える」状態です。今でも日本に帰るたびに、日本に住んでみたいと強く思います。でも、日本に住んだら住んだで「あぁ、カナダのあそこがよかった」と思うのは目に見えています。

今回は後悔したことというのがテーマですので、実際に残念に思っていることを正直に書きました。

でも、医療の点については、専門医に会うのに時間はかかるものの、医療費が無料というのは本当に素晴らしい制度だと思っています。身内で最近癌の手術をした人がいますが、その場合でも1ドルもかかりませんでした。また、専門医に会えないとはいえ、優先順位があり、緊急を要する場合にはなるべく早く予約が取れるようになっています。

また、妊娠や癌、骨折などの比較的大きなケースではなく、風邪などのもっと日常的な場合は掛かりつけ医が診察をし、その場で薬を処方してくれますので待ち時間はほぼありません。医者に会いに行くのが面倒と言う人も多く、直接薬局に行き、そこで薬剤師に相談をして処方箋なしでも購入ができる薬で済ます人も多いです。

カナダの冬に関しても、国土は日本の約27倍もありますから都市によって気候もかなり異なります。冬が苦手という方は東部ではなく西部への移住がおすすめです。バンクーバーは雨は多いですが冬の冷え込みはそこまでではありません。バンクーバー近くのビクトリアは冬でも温暖な気候ですのでカナダ人の間でも人気が高いです。

トロント

また、ウインタースポーツが好きな方には絶好の環境とも言えます。バンクーバーの近くには世界的なスキーリゾートのウィスラーがあります。平日でも仕事帰りにナイターを楽しめるほどの立地!トロントからも車で2時間ほど走ればブルーマウンテンというスキーリゾートがあります。

日本にもカナダにもそれぞれいいところと悪いところがあります。カナダに移住し、日本にも一時帰国のチャンスがあるということは両国のいいとこ取りが出来るといった感じにポジティブに考えるとカナダ生活が一層楽しいものになってくるはずです。

参照: https://cmha.ca/fast-facts-about-mental-illness